『~活』という言葉が世の中に氾濫するようになって10年くらいは経つ。
就職活動など……いろいろな活動を表すこと言葉が短く縮められて『~活』と言われるようになってきた。
そして、これはコスメの世界においても例外ではない。
『菌活』という言葉をご存じだろうか。
菌活とは、本来カラダに良い菌を積極に摂取して腸内環境を良くしていこうという活動の事である。
しかし、スキンケアにおいても『菌活』という言葉は使われる。
スキンケアにおける菌活とは、『本来持っている肌の常在菌のなかの善玉菌を増やし肌の自活力をあげる』ことを言う。
最近では、こういった『菌活』を取り入れた菌活化粧水なるスキンケア用品もたくさん開発されている。
そして注目したいのは、メーカーからも菌活化粧水と銘打ってたくさんの製品がリリースされているが、スキンケアのメーカーとは言い難いところからもこの菌活化粧水が発売されていることだ。
たとえば、神戸養蜂場というはちみつ専門の会社がアピナチューレWリッチローションというものを発売している。
アピナチューレWリッチローションには確かにマヌカハニーという非常に希少なニュージーランド産のはちみつも使われている。
しかし、アピナチューレWリッチローションの本質は『菌活』により肌の常在善玉菌である表皮ブドウ球菌の活動を活発にすることにある。
具体的には、常在悪玉菌をアピナチューレWリッチローションに配合されているビフィズス菌でph調整をして活動抑制することにより、表皮ブドウ球菌の活動を促すというものだ。
したがって、美肌効果があるマヌカハニーといえども、マヌカハニー自体は商品価値をあげるための要素の一つに過ぎない。
つまり、本来ははちみつの専門家が乗り出すような商品ではないはずだというのが個人的な見解だ。
それでも、現実にアピナチューレWリッチローションは神戸養蜂場からリリースされている。
これは、それだけ水面下で密かな『菌活』ブームが起こっている証左ではなかろうか。